アプリ施策に直結するデータ分析、しないデータ分析の違いは?

アプリ施策に直結するデータ分析、しないデータ分析の違いは?

「DXだ」、「データ活用が重要だ」と声高に叫ばれる昨今、「データは見ているがどう活用したら…」とお悩みのアプリのご担当者に向けて、アプリ施策に直結するデータ分析の在り方についてのヒントをお届けします。

UUやセッション数は結果でしかない

UUやセッション数は結果でしかない

アプリ担当者にとって馴染みのあるデータとして真っ先に挙がるのはUU(ユニークユーザー数)やセッション数といった指標ではないでしょうか。Google Analytics(GA4)のタグを埋め込めば無料で見ることができるデータなので、「とりあえず入れている」、「データは定期的に見ている」といったアプリ担当者も多いのではないかと思います。

ただ、こういった指標の変化を眺めたり、属性ごとにフィルタリングして細かく深掘りしていったとしても、具体的なマーケティング施策の企画に繋がることは少ないです。というのも、これらはアプリ運用の結果でしかなく、真に重要なのはこれらの数字の裏に隠れたストーリーを読み解くことだからです。

それでは、アプリ運用におけるデータ活用を改めて見つめ直してみましょう。

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アプリのデータ活用の3つの目的。あなたが欲しいのはどれ?

アプリのデータ活用の3つの目的。あなたが欲しいのはどれ?

アプリのデータ活用の目的は、大きく分けて3つあります。第一に運用成果を観測すること、第二に施策の解像度を高めること、第三に施策の効果を予測することです。

1.アプリ運用成果の観測

アプリのデータ活用で最も広く行われているのは運用成果の実測です。GA4でUUやセッション数、収益などを追っていくのもこれに該当します。アプリ運用において立てた目標を達成できているかどうかを確認して未達時の追加施策の検討トリガーにしたり、何か想定外のことが起きているときには指標の急激な変化で気付くことができます。

取り組みやすいうえに、アプリの運用成果の報告でほぼ確実に登場する指標ですので広く行われていますが、あくまで結果の観測なので、施策を考えるきっかけにはなる一方で、どういった施策をすべきかのヒントにはなりづらいという側面があります。

2.アプリ施策の解像度を高める

アプリ施策の解像度を高めるうえで重要なのは、個々のユーザーの理解です。なぜアプリをダウンロードしたのか、なぜアプリを立ち上げるのか、なぜアプリのその機能を使うのか、なぜアプリで課金をしてくれるのか、なぜアプリを使わなくなってしまったのか・・・こういったユーザーのストーリーを把握していくことが重要になります。

アプリ施策の解像度を高めるためのデータ分析では、性別や年齢、ライフステージ、嗜好性などの顧客属性を考慮しながらアプリ上の行動をもとにセグメンテーションを行い、どういったユーザーたちがいるのかを分かりやすくすること、そしてそのユーザーたちがどういった行動を取りがちなのかを具体的に把握することが重要です。

アプリ登録時に取得した情報を活用したり、アンケートで情報を別途聴取したりといった形で顧客属性を補完していくのはもちろんのこと、例えばGA4のユーザーエクスプローラなどからユーザー一人一人の行動をつぶさに確認していくといった泥臭い作業も有効です。

こういった取り組みから誰よりもユーザーに詳しくなることで、認知施策やF2転換(2回目のリピート購入)施策、ロイヤル化施策などの企画議論がユーザー起点で行うことができるようになり、施策の解像度を高めていくことができます。

3.アプリ施策の効果を予測する

アプリ施策を実際に企画・実行するにあたって避けて通れないのが予算の問題です。この施策を実行するのにどれくらいのコストが発生するのか、コストに見合ったパフォーマンスが見込めるのかを正しく予測することができなければ、賭け事になってしまう危険性があります。
一方で、施策がどのユーザーセグメントのどういった行動に寄与するものなのかを具体的に設計できていれば、アプリ施策の効果目標をユーザー起点で設計できるようになります。「この施策を実施することでこのユーザーセグメントのこの指標を上げて●●万円の収益貢献が見込めるので●●万円の投資をしましょう」といった施策提案ができれば、組織における予算可否の議論がしやすくなるうえに、いざ実施したときの効果検証も非常にやりやすくなります。

データドリブンなアプリ施策の企画実行は、ユーザーの解像度を高めることと、施策の効果を予測することが一体になって初めて有効に動くようになります。

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始めるならまずはスモールスタートでPoCを!

「データは見ているが、見ているだけになってしまっている…」というアプリ担当者の方は、もしかしたら1の運用成果の観測が中心になっているのかもしれません。そういった場合には、2のユーザーの解像度を高める、3の施策の効果を予測するといった方向に考えてみるのがオススメです。

ただし、アプリのデータ分析をするにあたっては、立ち上げ方には工夫が必要です。

しっかりしたデータ分析基盤やダッシュボードがあるのは理想ですが、完成形を最初から作り込むにはそれ相応のコストと時間ががかかります。いざ作ってみたら様々な理由で思ったようにならなかったり、作るのに時間がかかりすぎて必要なものが変わったりなどがあります。

そのため、まずはスモールスタートでPoCに取り組むことがオススメです。まずは各種データをCSV等でダウンロードして、ETLツールなどでデータの一次分析を通じて手元でデータを観察していき、仮説検証や施策への落とし込みを1サイクル実施して評価しましょう。

実際に取り組むことで、想定していなかったようなメリットが見えてくる一方で、実現に向けてのハードルや課題が見えてくるので、それら知見を踏まえたうえで理想的なデータ活用の運用を設計することで、プロジェクトの成功可能性を高めつつ全体的なコストを押さえていくことが可能です。

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ユーザーの解像度を高めるにはリサーチも有効

「データは見ているが、見ているだけになってしまっている…」というアプリ担当者の方は、もしかしたら1の運用成果の観測が中心になっているのかもしれません。そういった場合には、2のユーザーの解像度を高める、3の施策の効果を予測するといった方向に考えてみるのがオススメです。

また、ユーザーの解像度を高めるにはリサーチも有効です。ユーザーに対するインタビューやアンケートを通じてユーザーの意識を直接深掘りすることは、コストはかかりますがユーザーの解像度を一気に高めることができます。

「自社のアプリユーザーにリサーチ協力を直接お願いするのはなかなか難しい…」という場合は、消費者パネルを保有しているマーケティングリサーチ会社に相談することで、匿名でのリサーチの実施も可能です。リサーチャーやモデレーターの手配をお願いすることもできますし、アプリユーザーのリクルートだけをお願いすることもできます。

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どう着手したらよいかお悩みでしたら、まずはご相談を!

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アプリ施策に直結するデータ分析は、言うは易し、行うに難しの展開です。この分析に必要なのは、データ分析のスキルはもちろんのこと、ユーザーを客観的に理解する経験、データドリブンに施策に落とし込む経験が必要になってきます。課題感によっては、アプリで既に取得しているデータの分析に留まらず、追加のリサーチも必要になってきます。

「取り組んでみたいがどこから始めたら…」、「やってみたはいいけれど、成果が出るまでやり切るのが大変そう…」とお悩みの方がいらっしゃいましたら、クロス・コミュニケーションに是非お相談ください。お悩みをヒアリングさせていただいたうえで、貴社にぴったりな支援プランをご提案させていただきます。

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執筆者

株式会社クロス・コミュニケーション編集部

Cross Communication 株式会社クロス・コミュニケーション編集部

株式会社クロス・コミュニケーションのコンテンツ編集部。
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