サブドメインはSEOに悪影響を与えるのか

サブドメインはSEOに悪影響を与えるのか

専門性を向上させるためや、本サイトとの差別化をはかるために追加されることが多いサブドメインですが、検索エンジンに「まったく別のサイト」として認識されることになるため、SEOに悪影響が及ぶのではないかと心配される方もいらっしゃるかもしれません。


このコラムではそういった方に向けて、悪影響の有無を根拠とあわせてご紹介し、わかりやすく解説していきます。運用の際に注意すべきこと、さらにサブドメインとサブディレクトリのどちらを選ぶべきなのかをシチュエーション別でご紹介し、最適解を導き出します。

そもそも、サブドメインとは?

サブドメインは、主軸となるドメインに先んじて加わるドメインを意味する言葉です。


例として「Google」を取り上げると、「https://www.google.com/」が本ドメイン(ルートドメイン)になりますが、Gmailの場合には「https://mail.google.com/」がURLに変わります。


この場合の「mail.」という箇所がサブドメインにあたります。文字に関しては自分の好きなものに決めることができるので、コンテンツの内容に応じて決定するのが一般的です。サッカーの場合には「soccer.」、グルメの場合には「gourmet.」など、管理者やユーザーにとってわかりやすい英数字を選択するといいでしょう。

サブディレクトリとは

これに対してサブディレクトリは、本ドメインの中ではなく、後に付け足される部分を指す言葉です。


たとえばGoogle画像検索のURLは「https://www.google.co.jp/imghp」となり、「/imghp」の箇所がサブディレクトリに該当します。


この形式は、あらかじめ用意されているページを、さらに区分けするために使われることがほとんどです。たとえばスポーツをテーマにしたサイトにおいて、「/soccer」「/baseball」という形で区分けして管理・運用します。まったく新しいコンテンツを作る際に向いたサブドメインと違い、ページ内を細かくフォルダでわけるような感覚で利用されるのがサブディレクトリです。

結論、サブドメインでもSEO上の悪影響はない

なお、今回の議題について結論からいうと、サブドメインでもSEOにおける悪影響を受ける心配はありません。その根拠は、Google自身がドメインによる悪影響の存在を否定していることです。これにより、SEOありきという形でドメインを選ぶ必要性は一切なくなりました。

サブドメインでもSEOに悪影響を与えない理由

サブドメインは本ドメインに帰属するものではなく、「別サイト」として取り扱われることになります。これがサブディレクトリとの決定的な違いですが、サブドメインでも本ドメインで獲得していた評価は、ある程度引き継ぐことが可能です。


すでに育っているサイトの力を継承できるため、イチからドメインパワーを育てる必要がありません。これまでに行ってきたSEO対策は無駄にならず、それどころかプラスに作用することになるのです。対策のためにかけてきた費用が無駄になることもありませんから、安心して新しいステージへとWebサイトを導きましょう。

【注意】ただしドメインパワーが弱いうちはサブディレクトリでの展開がおすすめ

注意点として覚えておくべきなのは、サブドメインは本ドメインの力に依存する性質をもつことです。つまり、ドメインパワーが弱い状態で展開したとしても力が伝わり切らず、SEO対策を効果的に進めることができません。


このパワーが不十分な段階でサブドメインを用意すると、本ドメインと並行する形でサイトの強化を進める必要が生じます。力が分散されることになるので、SEO対策にはより長い時間が必要になりますし、それにかける費用も高額になりがちです。


パワーが弱いうちは、ドメインを直接強化する道を選択することがおすすめです。すなわち、ドメインパワーが弱い時点では、サブドメインよりもサブディレクトリの展開を優先すべきということになります。本ドメインが育つのを待ってから、サブドメインの制作を進めることが成功への近道です。


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サブドメイン・サブディレクトリそれぞれのメリット

写真-黒板_メリットデメリット

サブドメインとサブディレクトリには、双方にメリットとデメリットがあります。シチュエーションごとにわけて、どちらを選択するとより有益なのかを検証しましょう。まずは用途を見直すことが、効率化に向けた第一歩です。

大切なのは用途(方向性)の違い

メリット・デメリットで判断する前に、最初に考えるべきは「用途の違い」です。サブドメインは、同一のブランド内で異なるテーマを扱う場合に利用するものです。一方サブディレクトリは、同一のブランド、同一のテーマの中で、さらに細かくジャンルをわける場合に利用します。


「Yahoo!」を例にとると、ショッピングとスポーツ、ヤフオク、トラベルはすべて同一ブランドですが、扱っているテーマはそれぞれまったく異なります。そのためドメインをわけており、ショッピングの場合は「https://shopping.yahoo.co.jp/」、トラベルの場合は「https://travel.yahoo.co.jp/」といった形で、明確に区分していることがわかります。


しかし、同じYahoo!でも、サッカーを取り扱うページ「https://soccer.yahoo.co.jp/」では状況が異なります。日本代表チームを扱うカテゴリーには「https://soccer.yahoo.co.jp/japan/」が使用されますが、Jリーグを扱う場合は「https://soccer.yahoo.co.jp/jleague/」に、海外サッカーの場合は「https://soccer.yahoo.co.jp/ws/」に、それぞれ独自のサブディレクトリをもたせているのです。


これらの前提条件を踏まえた上で、どちらを選ぶとよりスマートなのか、そしてよりよい形でSEOに効果をもたらすことができるのかを考えていきましょう。

サブドメインを選ぶべきケース

サブドメインのメリットは、コストを抑えられる点です。まったく新しいドメインを取得する場合には費用が必要ですが、サブドメインを選べば、母体として本ドメインを残せます。そのため、取得費や管理費の削減につなげられる上、ブランディングにおいても優位性を保てる点が魅力です。


本ドメインによる性質を引き継ぎながらも、より専門性の高いページを作成できる点も特徴的であるため、新しく力を入れる事業のページを作成する際には、サブドメインを選ぶと、効果を実感できるはずです。ページそのものを変化させることにより、アクセス解析なども単独で行えるので、改善などの作業においても運用しやすく、ユーザーが必要とするサービスを提供しやすくなります。


一方でデメリットとして認識すべきなのは、専門性の高いページを作成することが前提となるため、内容に厚みをもたせるための努力と本サイトとの差別化が必須になる点でしょう。結果的に、記事のボリュームアップに時間と費用がかかる可能性は否定できません。

サブディレクトリを選ぶべきケース

サブディレクトのメリットは、同一ジャンルの中で、より独立性をもった専門的なページを増加させられる点です。コンテンツを集中的に増やせる取り組みになるため、コアな情報を求めている層からの支持を集めやすいことが魅力になります。


アクセス解析なども、本ドメインから辿る形を採用できるため便利で、極めてシンプルな操作性を維持できます。前述した通り、本ドメインの強化につなげやすい方法でもあるので、立ち上げ直後というシチュエーションに置かれている場合や、スタッフが簡単に管理できるページを設けたいという場合には、とくに効果的です。


デメリットとなるのは、重複コンテンツを複数投稿する危険性と隣り合わせになる点です。結果としてアクセスが落ち込むことや、ペナルティを受けることなどを視野に含まなければならず、トラブルを未然に防ぐための管理体制を整える必要が生じます。


また、これまでの路線と全く違うサービスなどを始める際に、サブディレクトリで展開してしまうと、Googleが何のジャンルのサイトなのか分からなくなってしまう可能性があります。ジャンルにブレが発生するため、本ドメインで獲得していたジャンル内の権威性が下がり、既存ページの順位が低下する恐れもあります。


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Google Analyticsのクロスドメイン設定を忘れずに

サブドメインを選択する場合、本ドメインとは無関係なサイトと見なされるので、GA(Google Analytics)計測を行っている場合には、クロスドメイン設定が必須です。これを行わないと、訪問したユーザーがドメインをまたいでアクセスを継続した場合、セッションが途切れて不具合を引き起こすことになります。


クロスドメインを設定するためには、Google Analyticsにおいてタグの変更を実施し、「参照元除外設定」「フィルタ作成」「目標設定」を順番に実行する必要があります。この設定は、クロスドメイントラッキングと呼ばれており、事前の設定を忘れてはなりません。


非常に複雑で難しい作業と考えてしまいがちですが、順を追って設定すればさほど時間をとられることもありません。クロスドメインの詳しい設定方法に関しては、以下の記事にまとめていますので、ぜひ参考にして下さい。

クロスドメインの解説記事はこちら!

まとめ

サブドメインがSEOに悪影響を与えることはありません。Googleの公式見解でもその事実が伝えられているため、心配せずに導入を検討し、サブディレクトリとの違いを確認しながら、より適した対策を進めましょう。


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執筆者

株式会社クロス・コミュニケーション編集部

Cross Communication 株式会社クロス・コミュニケーション編集部

株式会社クロス・コミュニケーションのコンテンツ編集部。
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