【サンプルテンプレート無料DL可】アプリ開発のRFP(提案依頼書) – 書き方や作成のポイントなどを解説

【サンプルテンプレート無料DL可】アプリ開発のRFP(提案依頼書) – 書き方や作成のポイントなどを解説

アプリ開発プロジェクトの成功の鍵を握るもののひとつに、明確で具体的なRFP(提案依頼書)の作成があります。 しかし、どのようにRFPを作成すればよいのか、どういった内容を含めるべきなのか、迷う方も多いのではないでしょうか。

そこでクロス・コミュニケーションでは、多数のアプリ開発プロジェクトを経験し、多様なRFPを見てきた我々の視点から、優れたRFP作成のための具体的な方法をまとめることにしました。 また、具体的なイメージを掴んでいただくため、サンプルテンプレートの無料ダウンロードも用意しています。

ぜひ一度サンプルを確認し、効果的なRFP作成に役立てていただけますと幸いです。

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そもそもアプリ開発におけるRFP(提案依頼書)とは

アプリ開発におけるRFP(提案依頼書)とは、アプリ開発プロジェクトの主催者が外部の企業や開発者に対し、提案を求めるために使用される文書を指します。 プロジェクトの目的・要件・予算・スケジュールなどの情報を提供し、開発パートナーからの提案を促すのが目的です。

なお、RFPではきちんと要件定義ができているか否かがとても重要です。 要件定義が十分にできていないと感じる場合には、ぜひ一度クロス・コミュニケーションにご連絡ください。 当社では、まだ要件定義をしていない段階からでも、アプリ開発のご相談を承っております。

なぜRFPを作るのか

上述の通り、RFPは最終的に開発パートナーからの提案を促すのが目的です。ここではもう少し踏み込んで、5つのポイントに分けて解説していきます。

  1. 要件・目標の明確化

    RFPは、開発パートナーが具体的に何を達成すべきかを理解するための基礎となります。 RFPの作成により、コミュニケーションロスや誤解を防ぎ、希望通りの提案を受け取れる可能性を高めます。

  2. 提案の公正性と競争促進

    RFPの公開により、多くの開発パートナーに同じ情報を提供し、公平な競争を促します。 その結果、最適なパートナーを選択するための比較基準を設定することができます。

  3. 提案の品質向上

    RFPにより、具体的な要件や目標が明示されることで、開発パートナーはより質の高い提案を行えるようになります。

  4. 適正金額に収めやすい

    RFPは、予算やコストに関する明確な情報も提供します。これにより、予算を超える提案を避けることができ、適正な金額でのプロジェクト実施が可能になります。

  5. 選定プロセスの効率化

    すべての提案が同じフォーマットと要件に基づいている場合、それらを比較し評価することが容易になります。その結果、最適なパートナー選びを効率よく行えるようになります。

いつRFPを作るのか

では、RFPはいつ作ればよいのでしょうか。 プロジェクトの状況によりますが、RFPを作成するタイミングはいくつかあります。 ここでは、大きく4つのパターンを紹介します。

  • 新規プロジェクトの立ち上げ時

    新しいアプリ開発プロジェクトの初期段階では、具体的な要件や目標を明確にするためにRFPを作成します。 これは開発パートナーを探す最初のステップにもなります。

  • 追加の提案依頼が必要となった時

    新しい機能の開発や既存機能の改善など、特定の要件が明らかになり、それに対する提案を必要とする時にも、RFPを作成する場合があります。

  • 既存契約の更新または改訂の時

    既存の開発契約が終了する、もしくは大きな更新・改訂が必要となった場合に、新たにRFPを作成して、新たな目標と最新の要件を明確にするのも有効です。

アプリ開発のRFPのサンプルテンプレート

ここまでの内容で、RFPをどのタイミングで、なぜ作るのかを理解いただけたでしょうか。 ここからはサンプルを見ながら、実際にどんなものを作っていくのかを解説していきます。

テンプレートとしてもご用意しておりますので、実際にファイルとして確認したい場合は、以下よりダウンロードください。

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アプリ開発のRFPで求められる具体的な項目

ここからは、RFPに求められる具体的な項目について、ひとつずつ見ていきましょう。

【プロジェクトの概要】

まずは、プロジェクトの背景やビジョンなど、全体像が分かる情報をまとめます。具体的には以下のような内容を盛り込んでください。

  • 開発に至った背景

    ここでは、新しいアプリを開発するに至った、具体的な背景を説明します。 例えば、企業戦略の方針を元に、現在の市場動向やテクノロジーの潮流、新たにアプリ開発を行うと決めた要因などを詳細に明示します。既存のアプリのベンダー移管の場合は、ベンダー変更における背景を記載します。

    これにより、開発パートナーがプロジェクトの根底にある動機を理解しやすくなります。

  • 開発プロジェクトの目的・方針

    ここでは、新たな開発プロジェクトの目的や方針を説明します。開発における前提条件に加えて、経営戦略を具現化させるための目標や基本方針を明示します。また、目指すべきサービスのユーザーエクスペリエンス、セキュリティ、システム品質保証基準など、なるべく具体的なビジョンを共有します。

    これにより、開発パートナーは目指す方向性を的確に理解し、最適なソリューションを提供するための参考にできます。

  • 解決したい課題、ねらいとする効果

    ここでは、現状のシステムやプロセスにおける解決したい課題と期待する効果を詳細に明示します。これには、機能の制約、パフォーマンスの問題、ユーザビリティの課題など、改善が必要となるポイントを含みます。

    これにより、プロジェクトが解決しようとしている問題を具体的に把握でき、それに対応した提案の作成が可能になります。

【提案依頼概要】

【プロジェクトの概要】で全体像を理解してもらったところで、次は実際に提案をしてほしいプロジェクトの情報をまとめます。 具体的には、以下のような内容を盛り込んでください。

  • 提案範囲

    ここでは、提案対象となる範囲を明確にします。 提案を依頼する概要およびスコープについて記載します。全体のアーキテクチャ設計から具体的なコーディング、テストまでの全範囲を求めるのか、あるいは特定の領域に焦点を絞るのかを明示します。

  • 提案いただきたい事項一覧

    ここでは、提案いただきたい事項を明確にします。ベンダー選定するにあたり、評価を実施するために必要な情報を明示します。

  • システム構成

    開発するアプリで求めたいシステム構成を記述します。例えば、システムのアーキテクチャ、使用する主要な技術やプラットフォーム、ハードウェアやソフトウェアの要件などが含まれます。

  • 機能要件

    開発するアプリが満たすべき機能を、詳細にリストアップします。例えば、特定のタスクを実行する機能や、ユーザーログイン機能などが含まれます。

  • 非機能要件

    開発するアプリのパフォーマンス、セキュリティ、スケーラビリティ、利用可能性など、機能以外の要素を指定します。

  • 移行方法(旧サービスがある場合)

    既存のアプリから、新しいアプリへのデータ移行方法や注意点などを記述します。例えば、移行するデータの範囲、データ変換の方法、テスト手順などが含まれます。

  • 納品条件

    成果物の納品に関する具体的な条件を明示します。例えば、納品期限や納品フォーマット、納品方法などが含まれます。

  • 運用条件

    開発するアプリが正常に動作するための、環境や条件を指定します。例えば、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク接続などの要件が含まれます。

  • 保守条件

    開発するアプリの維持・保守に関する要件を記述します。例えば、システムのアップデートや修正、トラブルシューティング、ユーザーサポートなどが含まれます。

  • 予算

    プロジェクトの予算を明示します。例えば、開発コストやテストコスト、維持・保守コストなどが含まれます。

  • 開発スケジュール

    プロジェクトの主要なマイルストーンや期日を記述します。

  • 開発体制

    必要なスキルセットや役割、チームの規模など、開発チームに求められる体制を明記します。

  • 開発言語/手法

    使用するプログラミング言語や、開発手法(例:アジャイル開発、ウォーターフォール開発等)を記述します。

    ※内製化(常駐して開発)の場合
    上記に加えて開発の内製化を行いたい場合は、いくつか追加しておくとよい事項があります。具体的には、以下のような内容を入れるとよいでしょう。

  • 作業場所

    開発チームが作業を行う場所を明記します。

  • 開発用PC機器・使用材料の負担

    開発に必要な機器や、材料の調達責任者を明示します。

【スケジュール】

プロジェクトの情報が伝わったところで、提案受付の期日などをまとめます。具体的には以下の内容を盛り込んでください。

  • 提案受付の期日

    提案を受け付けられる最終日を指します。この日付は、開発パートナーが提案を作成し、必要なすべての情報を集め、質問を行うのに十分な時間を確保するために設定されます。 プロジェクトの規模や複雑さによっては、提案期間を2ヶ月以上空けて設定することもあります。

  • フォーマット

    開発パートナーが提出すべき提案書の形式を指定します。これにより、提案を比較しやすく、評価しやすい形式で提出されることを確保します。

    フォーマットには、ドキュメントのスタイル、セクションの構成、使用可能なフォントとサイズ、ページ数の制限などが含まれることがあります。

  • 窓口

    開発パートナーが質問を送るため、または提案を提出するための連絡先を指定します。 この連絡先は、一貫した情報の流れを確保し、提案企業が必要なサポートを得られるようにするために設定されます。 多くの場合、電話番号とメールアドレス、担当者の名前を記述します。

【契約事項】

最後に契約条件などをまとめます。具体的には以下の内容を盛り込んでください。

  • 発注形態

    プロジェクトに応じて、請負契約なのか、準委任契約なのかについて依頼する発注形態を明示します。

  • 検収

    検収方法および検収期間について明示します。

  • 支払い条件

    支払い条件を明示します。

  • その他

    最後に、追加すべき事項があれば記述します。

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アプリ開発のRFPを作る際のポイントとは

アプリ開発のRFPを作る際のポイントとは

このようなアプリ開発のRFPには、盛り込むべき事項がたくさんあります。 ここでは、特にその中でも重要となるポイントや、作成の際に意識していただきたいポイントについて触れていきます。

目的の明確化

プロジェクトの目的を明確に伝えることは、開発パートナーがより適切に提案を行ううえで重要です。 本稿では【プロジェクトの概要】がこれにあたります。概要とはいえ、しっかり伝えていただくことで、提案の質が大きく変わるかと思います。

要件の明確化

機能要件や非機能要件を明確にすることで、提案企業が適切な提案をすることができます。本稿では、【提案依頼概要】の中で触れている部分になります。 機能要件や非機能要件はしっかり書かないと、提案企業が誤った解釈の元に提案してくる場合もあるため、注意してください。

RFPが準備できてなくても!クロス・コミュニケーションのアプリ開発について

ここまで見てきたように、RFP作成は重要で、しっかり作る必要があります。しかし、その作成は複雑であり、手間と時間を要します。

RFPが準備できずお困りでしたら、ぜひ一度クロス・コミュニケーションにご相談ください。 クロス・コミュニケーションは、RFPがまだ整っていない段階からのご相談、RFP作成自体のご相談なども受け付けています。

背景や目的が整理できた段階で早めに相談いただければ、よりスムーズに要件定義やRFP作成のお手伝いが可能です。

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プロジェクトの初期段階でご相談いただき、具体的な提案をさせて頂くことで、貴社側でのRFPの作成が不要になる場合もあります。 これにより、プロジェクトの進行を早め、より効率的な開発の進行が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

クロス・コミュニケーションは300以上の開発実績があります!

クロス・コミュニケーションは300以上の開発実績があります!

クロス・コミュニケーションは、豊富な開発実績を有しており、高度な技術要求を伴うアプリ開発でも、確かな技術力と経験により、高品質な成果物を提供します。また、リサーチや調査からプロジェクトに参画し、一貫したサービスを提供することも可能です。

セキュリティが極めて重要な金融系のアプリなど、高度なセキュリティ要求を満たすアプリの開発にも豊富な実績を持っています。 特に金融業界向けとしては、通常のスクラッチによるアプリ開発以外に、豊富な標準機能をローコードで扱えるアプリプラットフォームによるサービスもご提供しています。

RFP作成にお困りの方、またはアプリ開発について相談されたい方は、ぜひクロス・コミュニケーションにお気軽にお声がけください。

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クロス・コミュニケーションのアプリ開発事例

ここからは、クロス・コミュニケーションが手掛けたアプリの実例を、3つご紹介いたします。

大和コネクト証券株式会社様

クロス・コミュニケーションは、証券会社向けのセキュアで使いやすい投資アプリを開発しました。

株取引の初心者でも容易に利用でき、重要な情報が一目で把握できるデザインを採用。自動ログイン機能も導入して、利便性を向上させました。

また、ユーザーが気軽に銘柄を検索・選択できるような機能も提供しました。本アプリはリリース後、特に初心者からの評判がよく、利用者数が増加しました。

大和コネクト証券様のアプリ開発事例の詳細はこちら

大和コネクト証券株式会社様のアプリ

TBCグループ株式会社様

クロス・コミュニケーションは、アプリの機能拡充を行い、その過程でコストも削減するプロジェクトを実施しました。

開発体制を請負型から準委任型に移行させ、平均5名のチームで開発を行うことで、各機能追加に伴う体制構築の手間を削減。

その結果、スピーディな機能拡充を実現し、管理費の削減にも成功しています。

TBCグループ株式会社様のアプリ開発事例の詳細はこちら

TBCグループ株式会社様のアプリ

髙島屋ファイナンシャル・パートナーズ株式会社様

クロス・コミュニケーションは、顧客ニーズの変化に対応し、クレジットカードの利用明細確認を紙からWeb、そしてアプリへと移行させました。

デザインからアプリの構築までの全プロセスを担い、金融機関向けのアプリ開発の実績を活かし、利便性の向上を図りました。

また、「タカシマヤカードアプリ」の開発にも貢献した結果、アプリ利用者数の増加と継続的なUI改善を達成しています。

髙島屋ファイナンシャル・パートナーズ株式会社様のアプリ開発事例の詳細はこちら

髙島屋ファイナンシャル・パートナーズ株式会社様のアプリ

最後に

アプリ開発プロジェクトにおいて、RFPはプロジェクトの方向性を示し、開発パートナーとの明確なコミュニケーションを図るための重要なツールです。 そして、貴社プロジェクトの要望と期待を具体的に示し、開発パートナーがそれに基づいて最適な提案を行うための土台となります。

RFP作成に悩んでいる場合は、クロス・コミュニケーションで用意したRFPのサンプルをダウンロードしてみてください。 テンプレートファイルが、貴社プロジェクト用のRFP作成に役立てますと幸いです。

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もし、ファイルを確認して、自社での完成は難しいと感じた場合には、ぜひご連絡ください。
クロス・コミュニケーションはRFP作成からでも、ご相談を承ります。

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執筆者

株式会社クロス・コミュニケーション編集部

Cross Communication 株式会社クロス・コミュニケーション編集部

株式会社クロス・コミュニケーションのコンテンツ編集部。 アプリ開発やWeb開発に関するナレッジやIT業界のトレンド情報などをご紹介しています。