【IT×マーケティング】スマホアプリと連携したマーケティングデータ活用について紹介
クロス・コミュニケーションは「IT×マーケティング」をテーマに掲げております。 「IT」と「マーケティング」の融合を実現し、お客様の課題を解決するお手伝いをしています。
この記事ではアプリ開発においてのデータ活用の重要性についてご紹介しております。
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目次
計画フェーズでの検討事項
アプリ企画フェーズにおいて
アプリ展開時においてよくあるケース
- 上長や品管がチェックするので、UIやデザインなど見える機能が最重要!
- 予算内になんとか抑えるために既存スマホサイトをほぼ流用しよう(web view展開)
- とりあえずバグなく動いているから大丈夫!
上記内容でリリースした結果、
品質関連情報対応遅れによる低評価
⇒ OSのバージョンアップや新端末で正常稼動せず原因の特定も改善も時間を要する
ユーザ行動情報認識不足による低評価
⇒ 行動結果を改善するための施策をしたいがアプリ内ユーザ行動が不明
アプリ改善要求に対するアクションが取れずに低評価
⇒ ストア/SNS/マーケティングリサーチで得られるユーザ意見の背景が見えない
というようにユーザーの低評価につながってしまいます。
本来あるべきすがた
全ての声を拾って良い方向に改善していくというのは当然難しいことですが、どのような目的を持ち、それの達成に必要なユーザの本質・行動(ファクト)をどこでどのように得るのか、また、そのPDCAをどのように行うのかが重要となります。
ファクトベースの考え方について
問題解決に繋がる成果を最大限得る意思決定とその実行には、「ファクト(顧客行動・声・調査データ)」の取得・集積・ノウハウ化するプロセスが必須となります。
上記の一連のプロセスを計画・実施し、効果測定・仮説検証の繰り返しをノウハウ化することで、ユーザーインサイトを導き出すことが可能となります。
「データ活用」を加味した設計
サービス(データ)アーキテクチャ設計例
アプリを中心に各種データをどのように設計すれば良いか一例を挙げさせていただきます。ここではあえて機能や、インターフェースといったようなことは触れておりません。そういったところはすべて取り払い、顧客行動によりどのデータがどう流れ、どこに蓄積するかを設計いたしました。
■ 赤枠箇所
アプリをリリースする上で実際にターゲットとしているユーザーです。すでにダウンロードしているユーザーとまだダウンロードしていないユーザーの2つに分けます。
■ 緑枠
このアプリを提供されている事業者です。ユーザーの行動で直接的にデータ取得が可能です。
■ 青枠
間接的にデータ取得が可能です。個別調査を行い得られるデータか、サードパーティーのデータを連携して得られるデータの大きく2種類あります。
アプリひとつを中心に見ても様々なデータが様々なところに散らばっているということがこの図からも理解頂けると思います。どのタイミングでどこにどう入れたらデータが溜まるのか、それをどう集計して、どういうふうにそれを次の改善に繋げるのかというところを考えておかないと無駄にデータが溜まってしまったり、せっかくデータを取得しても結局それが活用できないということになりますので、事前にイメージした上でどういうプロセスを踏むのかを考える必要があります。
どのようなデータを取得し活用するべきか
取得するデータの特徴・メリット/デメリットを認識し、中長期的な成長に必要となる、『仮説立案と検証』のサイクルを実施することが重要です。 弊社では、定性調査による仮説立案から定量調査での検証をPDCAとして実施しています。
両方のデータはどちらか一方のみを用いるものでなく、 相互補完し仮説立案・検証を行う事で、市場ニーズへの対応を行い、 また、ユーザーの真のインサイトを得ることが可能となります。
アプリリリース後の改善施策
リリース後の施策概要
手法と課題でマトリクスを作成してみました。
■ インタビュー
実際にターゲットになる方とインタビュアで対話をしていただき、そこから問題点の分析を行います。
■ ユーザビリティテスト
実際にアプリやWebサイトを操作していただき、ユーザーが課題を実行する過程から問題点の分析を行います。
■ 定量的なアクセス解析
GA等のアクセス解析ツールを利用し、どのページに対してどのようなアクションがあるか、アクセスがあるか、CVしているかというところの分析を行います。
■ ページ内行動ツール
ページ内においてどの部分が見られているかといったページ内レベルの行動分析を行います。
■ シナリオ
そもそもコンセプトや意図が伝わっているのかといったシナリオレベルの確認です。
■ レイアウト
画面の中、デザインの中でコンテンツが正しく認識されているのか、実際見てもらいたいコンテンツが認識されているのかの確認です。
■ 構造・導線
CVを上げるための最適な構造・導線になっているかの確認です。
■ コンテンツ
コンテンツ内容自体が妥当なのかの確認です。
仮説・検証の相互関係を導くための調査・分析手法として以下のようなものがあり、一長一短が存在します。目的となるユーザーの真のインサイト取得には、組み合わせも必要になるということがわかります。
次に弊社の事例を紹介させていただきます。
【事例1】某証券会社様向けアプリ
既存アプリの利用実態を競合アプリとあわせて定性調査し、課題点を洗い出し今後の改善施策を検討しました。
調査目的
- 既存アプリの利用実態(デザイン面や機能面においての印象)から今後の改修課題を抽出
調査方法
- アプリ利用者を対象にスクリーニングをし、グループインタビュー
- 他アプリの使い方や既存アプリの利用状況についてざっくばらんに意見を取得
結果
- ログイン方法は様々な意見があり、生体認証をfaceIDやパスコードなど複数実装するかたちで改善
- 株価がある一定のしきい値を超えた場合にお知らせする通知機能を追加することで利便性を向上
- ユーザーの利用シーン(仕事中など)に合わせた機能として、アプリを開かずにウィジェットで株価状況を確認可能に
【事例2】某銀行様向けアプリ
アプリ新規構築時にユーザーがスムーズに使えるかを調査しました。
調査の目的
- アプリに実装されている画面にユーザーが適切にたどり着き、目的の行動を達成できるかを検証
- 画面に配置されている機能をユーザーが正しく認識できるかを確認
調査方法
- ターゲットをスクリーニングし、リリース前にインタビューにてユーザー調査
- デザイン作成後にモックアップの状態で実際の行動フローに違和感がないかを確認
結果
- 外貨預金の購入フローは問題なく概ね高評価に
- テキストベースの情報が多いため、為替画面では国旗アイコンをデザインに取り入れることで視覚的にも分かりやすく高評価につながる
- 専門用語が分からず戸惑うユーザーがいるため、ライトなユーザー向けにヘルプや説明を入れるといった改善も必要な結果に
【事例3】カード会社様向けアプリ基盤の構築
これまでの開発実績を基に、カード明細アプリのお手本となる「アプリケーション基盤」を構築することで開発スピードをアップさせることができました。
基盤導入背景
- 同じような要件の開発が重なってきた
- 毎回ゼロからつくっていた
- 人による品質のばらつきのリスクもあった
導入後の結果
- アーキテクチャの統一が図れる
- そのまま使える機能については、ほぼ実装工数がかからない
- 機能要件についても、デフォルトとカスタマイズ部分で追加でかかる工数を考慮して交渉ができる
関連記事:アプリ開発のスピードと品質を両立させる「アプリケーション基盤」とは?
最後に
アプリリリース後の成功に向けた+αとしては以下が考えられます。
ワンストップのチーム体制
各種データを利用し分析経験豊富なリサーチャー・エンジニア・コンサルタント及び運用アウトソーシングの実施。ローデータの取得、集計、分析、アクション、さらに解明というサイクルをいかにシームレスに進めていくかということは非常に重要。
適切なサービス選定/導入
運用保守性/汎用性/コストを意識した適切なBIツール、データ取得サービスの選定と導入。
拡張性と将来性の担保
将来的なデータ拡張や分析の発展活用を意識し、アプリの各種データを一元化するDWHの構築。
現在データ活用を検討中の方、アプリリリースの後の改善施策を検討中の方、これからそういったものを考えている方含め、少しでもあのご参考になる部分があれば幸いでございます。
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